トンイ考2 チャン・ヒビンとの戦い

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宮女の悲哀 宮廷を出ても貞操義務があった!

      2012/12/21

[ad#300-250]トンイ第43話では友情にも似た宮女たちの忠誠心に涙を誘われた方も多かったのではないでしょうか?

本来、忠誠を誓う対象は王一人だけなのです。宮女はすべからく王の女なのですから。けれども、実際には自分が付いている後宮などの忠僕となることが多かったようです。

 

さて、宮女は形式上、王と婚姻関係を結んでいるわけですから、当然ながら他の男子と肉体的に交わることはまかりなりません。もし、その禁を犯してしまうと即刻処刑されました。

朝鮮時代、一般的な死刑は秋分から春分の期間に行われました。これは、春分から秋分にかけては生命が成長する季節であるため、それを汚す死刑を禁忌としたためです。

けれども、宮女の背信に関しては、死刑の中でも特に重大な犯罪として扱われ、即刻処刑としました。もちろん相手となった男子も斬首とされます。(実際には男子は減刑されることが多かった)

 

宮女通姦外人者男女皆不待時斬

これは英祖22年(1746)に編纂された続大典(ソクデジョン:속대전)に記されている文言です。

先述のように、男女関係を持った宮女とその相手を斬首するという法文です。法制化されるほどの重罪だったわけです。

この罪が法制化された契機は、粛宗(スクチョン:숙종)の父・第18代顕宗(ヒョンジョン:현종)の宮女・クィヨリ(귀열이)が顕宗8年におこしたスキャンダルでした。彼女は姉の夫である下級官吏と関係を持ち、妊娠したことで発覚しました。

臣下は絞首刑を上訴しましたが、顕宗(ヒョンジョン)は即刻斬首との厳命を下しました。この時の顕宗の怒りの程が尋常ではなかったことが見て取れます。

宮女は現役を退いても貞操義務がありました。仮にも王の女だった女性が臣下や庶民と関係を持つことはご法度だったのです。

 

ドラマ トンイでは、あまたの宮女が登場しますが、ほとんどの宮女は男性を知ることもなく、普通の女性としての幸せを享受できませんでした。

一般の宮女にスポットライトを当ててドラマを作ると、悲哀に満ちたいたたまれない悲劇が出来上がりそうですね。

 

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