驪興閔氏(ヨフンミンシ)とはどんな一族なのか? トンイ第49話解説(あらすじ含む)
2014/01/27
[ad#300-250]ハン・ヒョジュ、チ・ジニ主演、イ・ソヨン、ペ・スビン、パク・ハソン出演の韓国時代劇トンイ(同伊:동이)の第49話の解説(あらすじ含む・ネタバレあり)です。
禧嬪張氏(ヒビンチャンシ:희빈장씨)の母に率いられて宮廷内に入ってきた巫女(ムニョ:무녀)。
その巫女により仁顕王后(イニョンワンフ:인현왕후)に対して呪いがかけられます。
その証拠を延礽君(ヨニングン:연잉군)昑(クム:금)が見つけてしまい、トンイたちは呪詛が行われたことに気が付きました。
ドラマの内容はドラスティックでしたが、歴史的引っ掛かりがないということで、前回BSで放送された際も 巫堂(ムーダン)とは?というエントリーを記述しました。
今回は、そのシーンに出てきた木札に書いてあった驪興閔氏(ヨフンミンシ:여흥민씨)について説明します。
驪興閔氏(ヨフンミンシ:여흥민씨)
すでに多くの方がご存知とは思いますが、朝鮮半島には本貫(ポンガン:본관)という日本で言う本籍のようなシステムが有ります。現代日本の本籍は自由に変えることができ形骸化していますが、韓国での本貫は、今でも有用な出処を明らかにするためのシステムです。
これにより、自身の祖先を遡ることができるのですが、正直なところ、朝鮮末期に詐称が横行したため、どこまで正しいのか怪しいです。例えば、許浚(ホ・ジュン:허준)の子孫と名乗る人々が韓国に多くいますが、実際の子孫は北朝鮮に住んでおり、名乗っている人々は全て偽物だということがわかっています。
さて、仁顕王后(イニョンワンフ)の本貫は驪興(ヨフン)です。驪興は現在の京畿道驪州市(ヨジュシ)で、ソウルから4・50km南東に位置します。
閔氏(ミンシ)というのは本貫がこの驪興しかなく、単一本貫の姓です。孔子の10大弟子の一人である閔損(ミンソン:민손)の末裔・閔稱道(ミン・チンド:민칭도)が、高麗中期に使節としてやって来て、そのまま定着帰化した人物です。
このことからもわかるように、閔氏はすべて中国系です。もちろん、数百年も定着しているので特に半島人との差異はありません。彼らは現在では約5万世帯16万人いると言われていますが、人口比率にくらべて、歴史との関わりが強固だった一族です。
3人の、そして悲劇の中殿(チュンジョン:중전)を排出した一族
閔氏(ミンシ)の反映は中殿(チュンジョン:중전)を排出したかどうかという側面からも見ることができます。以下が閔氏(ミンシ)が排出した3名の王妃ですが、それぞれに悲劇の主人公として、時代劇にも多く描かれています。
- 第3代太宗(テジョン:태종)李芳遠(イ・バンウォン:이방원)妃 元敬王后(ウォンギョンワンフ:원경왕후)
- 第17代粛宗(スクチョン:숙종)妃 仁顕王后(イニョンワンフ:인현왕후)
- 第26代高宗(コジョン:고종)妃 明成皇后(ミョンソンファンフ:명성황후)
世宗(セジョン:세종)の母である元敬王后は、夫により兄弟をことごとく粛清抹殺され、家門が壊滅状態となりました。
仁顕王后の物語はトンイの描写の通りで、一度は廃庶人(ペソイン:폐서인)となるほどの浮き沈みのある人生でした。
明成皇后は日本人に惨殺された朝鮮最後の王妃として有名ですね!
王妃を輩出するということは、外戚として権威を振るい王権をも脅かすほどの権勢を誇ったということでもあります。それぞれの時代でそのあり方は異なりますが、驪興閔氏(ヨフンミンシ)と朝鮮王朝は密接な関係性を築いた一族だということはわかると思います。
【参考】 韓国歴史年表トンイ編 ・・・ 粛宗代の史実年表。性格的にあらすじのネタバレも含まれます。
第50話に続く
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