トンイ考2 チャン・ヒビンとの戦い

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書堂の犬三年で風月を詠む! トンイ第13話解説(あらすじ含む)

      2013/04/17

[ad#300-250]ハン・ヒョジュ、チ・ジニ主演、イ・ソヨン、ペ・スビン、パク・ハソン出演の韓国時代劇トンイ(同伊:동이)の第13話の解説(あらすじ含む・ネタバレあり)です。

西人(ソイン:서인)の陰謀で習ってもない中庸から出題される試才(シジェ)を受けなければならなくなった同伊(トンイ:동이)。もちろん合格せずに監察府(カムチャルブ)を追われそうになります。

そこに助け舟を出したのが仁顕王后(イニョンワンフ:인현왕후)でした。トンイはみごとに再試に合格し監察府の一員となりました。

トンイ130414

その再試の勉強を見てくれたのが、漢城府(ハンソンブ:한성부)判官(パンガン)に扮した粛宗(スクチョン:숙종)でしたね。問題を出したり出題頻度の高い語句を何気なく教えたり。

そのやり取りの中でとても面白いことわざが引用されていたので紹介します。

 

書堂の犬三年で風月を詠む(ソダンゲ サムニョニミョン プンウォルル ウンヌンダ:서당개 삼년이면 풍월을 읊는다)

四文字熟語で堂狗風月(タング プンウォル:당구풍월)ともいいます。

いくら無知でも長い間、聞いたり見たりすれば自然に上手になるという意味です。

『そんな感じの言葉はなかった!』と思われるかもしれませんが、訳は意訳されていました。そのシーンの日本語セリフは『やるではないか!そなた、習わぬ経を読む門前の小僧か!』となっています。

このシーンを直訳すると『豊山(プンサン)、おまえ、書堂の犬だな、風月を詠むんだな!』です。(一部リスニングできませんでした・・・)

このことわざは日本語に直すとまさに『門前の小僧、習わぬ経を読む』です。訳としてはとても良い語句だと思います。

ただし、残念なのは元のセリフにはトンイのニックネームである豊山犬(プンサンゲ)と、ことわざの書堂犬(ソダンゲ)を掛けている面白さがあり、それが訳では伝わらないということです。こればっかりは韓国語がわからないと笑いのツボがわからないわけで、致し方ないことですね。

 

書堂(ソダン:서당)とは少年が儒学の基礎を学ぶところです。歴史ドラマにもよく登場しますよね!そこに住んでいる犬が3年も経てば詩を詠むというのですから、ユーモアのセンスがあることわざですよね。

また、朝鮮では犬には最低とかとってもつまらないものという意味がありますので、お寺の前にいる小僧がお経を詠むという日本のことわざよりも、かなり落差がある表現です。

風月とは詩の題材であり、日本的には風流といったほうがわかりやすいかもしれません。朝鮮の儒学とは小難しい性理学の理論と同じくらい詩を読むことが重要とされています。柔らかく言うと名文家はデキる男の代名詞だったのです。

ドラマの中での本歌取りは、まともに勉強したことがないのに中庸を諳んずるトンイの才を褒めており、冗談めいた粛宗の姿と、そのあたりのニュアンスをわかって照れるトンイとの掛け合いが絶妙でした!

 

第14話に続く

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