張禧嬪の家族構成は? トンイ第19話解説(あらすじ含む)
2013/06/03
[ad#300-250]ハン・ヒョジュ、チ・ジニ主演、イ・ソヨン、ペ・スビン、パク・ハソン出演の韓国時代劇トンイ(同伊:동이)の第19話の解説(あらすじ含む・ネタバレあり)です。
ドラマや映画に何度となく取り上げられている禧嬪張氏(ヒビンチャンシ:희빈장씨)ですが、実のところ明確になっていることはあまりありません。
もちろん、承恩尚宮(スンウンサングン:승은상궁)になっていこうの足取りは記録が残っているのですが、それ以前はけっこうあやふやです。
それでは、実録に残されている記録や研究資料から、彼女の出生や家族構成を見て行きましょう。
生誕年:1659年説と1662年説、5歳年上説があり、明確にいつ生まれたかはわかっていません。それぞれ実録を紐解くとそう解釈できます。名家の出自ではないため四柱が残っておらず、今後も明確なことはわからないでしょう。
父:張炯(チャン・ヒョン:장형)または張烱(チャン・ギョン:장경)、趙師錫(チョ・サソク:조사석)説もあります。前者二人は同一人物ですが、おそらく漢字表記しか残っておらず、「炯」と「烱」で研究者の意見がわかれているのかと思われます。
張氏はや訳官の家系でした。張炯も訳官をしていましたが、1669年、禧嬪張氏(ヒビンチャンシ)が10歳前後に亡くなっています。
趙師錫(チョ・サソク)は南人(ナミン:남인)の有力者です。禧嬪張氏の母は彼の家の奴婢だった過去もあり、『禧嬪の実父は趙師錫に違いない』と噂されました。ただしこれは、政治的権勢のために、趙師錫を陥れようとしたデマとの見方が有力です。
母:尹氏(ユンシ)です。彼女の扱い方次第で禧嬪張氏の扱いも随分変わってきます。ここからも不確かな史料を元にした憶測となりますが、もともとは禧嬪の父・張炯(チャン・ヒョン)のいとこ張炫(チャン・ヒョン:장현)の奴婢でした。
そして、張炯が最初の妻を失い後妻にもらったのが尹氏です。張炯は訳官なので中人(チュンイン)です。両班と常人(サンイン)の間の層ですので、一般の民よりも上層に位置していました。けれど、母が奴婢であるため、母の身分上昇がない限り、禧嬪も奴婢の身分となります。
禧嬪張氏(ヒビンチャンシ)がいつ入宮したのかも実は謎とされていて、ドラマなどでは趙師錫(チョ・サソク)の後ろ盾で20歳前後で入宮したとされています。けれど、この時代の常識として、超絶美貌の持ち主が20歳で嫁に行っていないなんてありえません。
そこから考えられるのは、父の死により没落したため、10歳前後で入宮したことが考えられます。本来は公奴婢でなければ入宮できませんが、この辺りはちょちょいと履歴を改ざんすれば済むことです。私奴婢が公奴婢になるのは持ち主がかわるだけで、身分の変化はありませんので。
尹氏が免賤(ミョンチョン)され奴婢から抜け出しているのは確かなのですが、どの段階なのかは定かではありません。婚姻時ではないかとも言われていますが、そうなると禧嬪張氏はもともと中人の出となります。
兄:張希載(チャン・ヒジェ:장희재)です。彼は1651年生まれですので、禧嬪張氏とは10歳ほどの年齢差があります。ドラマをみているだけではちょっとわからないところですね。
彼の生涯の前半部分も謎に包まれています。父がなくなったのが19歳の時ですから、母が免賤されていれば跡取りとして訳官の勉強をしていたでしょうし、そうでなければ奴婢として働いていたことでしょう。多くのドラマでは清に渡っていたことになっていますが、これも定かではありません。
他にも見逃せないのが、トンイには出てこない張炫(チャン・ヒョン)の存在です。父・張炯(チャン・ヒョン)のいとこで禧嬪張氏や張希載の後ろ盾にもなっていた一族の長ですが、彼は朝鮮随一の巨商でした。
当初はいとこの子女に全く見向きもしていなかった感があります。けれど、一人息子を失ってからは、急速に彼らに接近しています。当時、商人は卑しいものとされていましたが、それでも政治は金で動いていた側面がありました。
そのため、禧嬪張氏(ヒビンチャンシ)の垂直上昇のファクターとして、彼の存在も見逃せません。
このように、禧嬪張氏(ヒビンチャンシ:희빈장씨)の家系は複雑で不明なことだらけで、一本筋の通った説明はできません。それでも、各ファクターがからみ合って、禧嬪張氏が高みまで登っていったことは見て取れると思います。
第20話に続く
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