トンイ考2 チャン・ヒビンとの戦い

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尚膳(サンソン)は不眠不休?

      2012/12/21

[ad#300-250]尚膳(サンソン:상선)

ドラマ・トンイの中では癒し系イケメンおじさまの尚膳(サンソン)ですが、実はとても偉い人なんです。なんてったて、140人いる內侍府(ネシブ:내시부)の最高職で従2品。

これがどのくらいすごいかというと、シム・ウンテクの勤める司憲府(サホンブ:사헌부)の最高職・大司憲(テサホン:대사헌)と同じなのです。現代的な職業に言い換えると、大司憲は最高検察庁長官ですので、それと同レベルということになります。

ちなみに、司憲府持平(チッピョン:지평)のシム・ウンテクは正5品ですので、尚膳(サンソン)よりはかなり下っ端です。ソ・ヨンギが勤める一見かなり品階が高そうに見える内禁衛将(ネグミジャン:내금위장)でも正3品ですので、尚膳(サンソン)の位の高さが際立っていることがわかると思います。

では、尚膳(サンソン)とはそもそも何なのでしょうか?

 

王の公設秘書が都承旨(トスンジ:도승지)とすると、尚膳(サンソン)は私設秘書といったところで、内侍ですので宦官です。基本的には大妃や王・中殿・世子の食事の一切を統括しました。そう、大長今(テジャングム)で有名になった水刺間(スラッカン:수라간)の統括者は彼なのです。けれど、実際は食事に限らず王の御用聞きとして、あらゆる業務を統括しました。

尚膳(サンソン)の定員ですが、実は2人なんです。もっとも、もう一人はは內侍府事(ネシブサ:내시부사)で、內侍府を統括し、すべての內侍の任命を行なうという職責でした。任命権があるといっても、そのうちの3品以上は王の特旨(トゥクジ:특지)がなければ昇進することはできませんでした。

 

ここからが本題。尚膳(サンソン)は王の傍にずっと侍っていたのでしょうか?

王の住む大殿(テジョン:대전)と世子の住む東宮殿(トングンジョン)では、内侍の勤務形態に大殿長番(テジョンジョンボン:대전장번)世子宮長番(セジャグンジャンボン:세자궁장번)いう特別なものがあります。

これは中殿などの他の王族には適用されない勤務形態で、丸1日が勤務時間となります。もちろん翌日は交代するのですが、危機管理のために王と世子との直通パイプとして機能していたのです。

尚膳(サンソン)も大殿長番(テジョンジョンボン)の勤務形態をとたのかどうかは、調べてみたのですが明確な答えは得られませんでした。というのも、大殿では交代勤務も併用されているからです。けれども、おそらくは大殿内官の長ですので、この形態で勤務したのではないかと思います。

[ad#336-280]ドラマ・トンイでは、粛宗(スクチョン:숙종)が「パッケヌグインヌンガ!:밖에 누구있는가:外に誰かおるか!」というと、必ず尚膳(サンソン)が出てきますが、これは偶然、偶然にも1日おきの彼の勤務日だったのでしょう(笑)

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