側室の命?後宮牒紙とは? トンイ第34話解説(あらすじ含む)
[ad#300-250]ハン・ヒョジュ、チ・ジニ主演、イ・ソヨン、ペ・スビン、パク・ハソン出演の韓国時代劇トンイ(同伊:동이)の第34話の解説(あらすじ含む・ネタバレあり)です。
トンイの正体を暴くために張玉貞(チャン・オクチョン:장옥정)はトンイを正式に後宮牒紙(フグンチョプジ:후궁첩지)を下し、王族の序列に加えると言い出しました。
両親の出自や個人の経歴を調べると言っていましたが、実際に行われていたのでしょうか?
それを示す資料はありません。個人的には、後宮になるから出自を精査するということはなかったかと思います。
というのも、幼少時に見習い宮女として入宮するときにすでに詳細に調べられているからです。見習い宮女となるということは、成人すれば王の女になるということです。そのため、見習い宮女を選別する段階で出自は全て調べられているのです。
これについては、実際に、朝鮮後期に尚宮が念入りに出自を調べあげた上で、見習い宮女を選別したという記録が残っています。
王の住まう聖域が王宮です。さすがに後宮になるから調べるという悠長なことは言ってられないのです。
さて、トンイに『側室の命』が下されると吹替されていた箇所は、韓国語では後宮牒紙(フグンチョプジ)という言葉が使われています。
これについては旧トンイ考の後宮牒紙(フグンチョプジ)で詳しく説明しています。
そこに記載していないことを補足すると、辞典によれば『牒紙』とは7~9品の任命書とあります。他の歴史マニアの文章を見ても5品以下とあります。
下級役人への任命書なので、ヨンダルあたりが昇進したりすれば下されるものです。あまりにも重要でない定形の書類であるため、ほとんど現存していません。
そして、朝鮮王朝実録や承政院日記(スンジョンウォンイルギ:승정원일기)を調べても『後宮牒紙』という言葉はありません。『牒紙』だけでもごくごくわずかしか使用されていません。下級役人に関連した言葉ですので、王の周辺ではあまり使われなかったことが伺えます。
それでは、どういったモノが下されていたのでしょうか?これもまた記録はありません。記録がないからこそ『後宮牒紙』という言葉が小説やドラマで多用されてきたのです。
けれど、順当に考えれば、中殿(チュンジョン:중전)から下されるハングルの命令書・諺文教旨(オンムンキョジ:언문교지)が妥当なところでしょう。
史実の淑嬪崔氏(スクビンチェシ:숙빈최씨)は1693年4月26日に後宮となっています。ドラマの進行を考えても誤差なく史実とシンクロしています。ただし、経緯は全く違います。そのあたりは、後日紹介します。
ついに暴かれたトンイの秘密。内禁衛将(ネグミジャン:내금위장)ソ・ヨンギの葛藤もトンイ同様激しさを増しそうです。予告でかなり物語っていますが、来週も見逃せませんね~。
【参考】 韓国歴史年表トンイ編 ・・・ 粛宗代の史実年表。性格的にあらすじのネタバレも含まれます。
第35話に続く
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