トンイが泮村(パンチョン)出身というのはやっぱりおかしいよね? トンイ第43話解説(あらすじ含む)
2013/12/15
[ad#300-250]ハン・ヒョジュ、チ・ジニ主演、イ・ソヨン、ペ・スビン、パク・ハソン出演の韓国時代劇トンイ(同伊:동이)の第43話の解説(あらすじ含む・ネタバレあり)です。
トンイ第43話では、朝鮮第19代王としてではなく、一人の男としてトンイを手放したくないと言った粛宗(スクチョン:숙종)が印象的でしたね。
さて、しばらく続いているフィクションの ために、特に解説することもないのですが、やはりどうしても気になるのがトンイが泮村(パンチョン)出身という設定です。
今回の粛宗への告白の中でも、自分が泮村(パンチョン)出身だという言がありましたね。
改めて、なぜ違和感があるのかを見てみましょう。
トンイの家系の変遷と要点
トンイの家系の設定は以下のとおりです。
- 両班出身の祖父が昭顕世子(ソヒョンセジャ:소현세자)暗殺の謀逆事件にかかわって家が籍没され賎民となる
- トンイの父・崔考元(チェ・ヒョウォン:최효원)は検死を行う仵作人(オジャギン:오작인)
- トンイの兄は宮廷の楽士
- トンイは賤民の子
実は1の時点でかなり矛盾があります。王族の暗殺に関わっていたら最低でも三族に渡り死刑となります。すると、1の時点でトンイの家系はすでに断絶していたはずです。
それでも何らかの理由で賤民の身分に落とされたとしましょう。けれど、崔考元が行っている職業がいただけません。現代では検死を行うのは医師ですので、社会的身分もかなり高いのですが、当時は白丁(ペクチョン:백정)が行っていました。
白丁と賤民(チョンミン:천민)とは同じ下層の民でも性質が全く異なります。前者は遊牧民族が土着して屠殺等を生業とした者達で、賤民は当時としては一般的な民でした。そのため、両班だったものが賤民に落とされたからといって白丁の仕事に従事することはありえないのです。
3のトンイの兄の職業もまた不思議な設定です。下級の楽士でも官職者です。賤民に落とされた家門の人間が2代後に官職に就けるはずがありません。
トンイが住んでいたとされる泮村(パンチョン:반촌)ですが、朝鮮建国の後に、成均館(ソンギュングァン:성균관)を朝鮮でも運営するに至った際に、高麗でも成均館の身の回りの世話をしていた者たちを、開京(ケギョン:개경)から連れてきたと言われています。
粛宗の代には340戸に2000~4000人以上が居住していたと言われています。この村はある時期までは義禁府(ウィグムブ:의금부)さえも侵入できないほどの治外法権が確立された、一種独特な村でした。
その性質からも、賤民になって以降のトンイの家系が泮村(パンチョン)に住むということはありえない話です。
第43話にはもうひとつ大きな矛盾点があるのですが、それはこちらからご覧ください。 → 漢城府に捜査権限はない!
【参考】 韓国歴史年表トンイ編 ・・・ 粛宗代の史実年表。性格的にあらすじのネタバレも含まれます。
第44話に続く
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