テッキョン トンイ第26話解説(あらすじ含む)
[ad#300-250]ハン・ヒョジュ、チ・ジニ主演、イ・ソヨン、ペ・スビン、パク・ハソン出演の韓国時代劇トンイ(同伊:동이)の第26話の解説(あらすじ含む・ネタバレあり)です。
第26話も特に解説することがないため、テッキョン(택견)について少しお話しようと思います。日本のアクションと違い、韓国のアクションは足技主体でくるくる回りますよね?
アレの元になったといわれる武術です。
トンイでのアクションも非常に見栄えのいいものですね。けれど、実際にあんな動きをしていたのかというと、100%ありえないと言っておきます。
韓国のアクションではくるくると回転した足技を主体としたものですが、刀を持っている相手にあんなことしたら、ちょいと足を斬られて戦闘不能になるのがオチです。刀を持った手と足のリーチを考えればわかりますよね!
さて、テッキョン(택견)ですが、文献によれば上の画像のように高句麗(コグリョ:고구려)壁画に描かれているから、その頃からあるとされています。これが正しければ1600~1700年の歴史を持ちます。信じるかどうかはあなた次第です(笑)
というのも、テッキョンの言葉が文字になったのはごくごく近代で、伝承されているわけでもなく、ただ絵にそれらしいものが残っているだけなのです。絵に残っているものは武術か舞踊か明確に判断できるものでもないんです。
もし、伝統的な古武術として受け継がれてきているものであれば、1592年の秀吉の朝鮮出兵・壬辰倭乱(イムジンウェラン:임진왜란)の際に、戦った側の日本が文字として残しているはずです。もちろんそれもありません。
上の画像は武芸図譜通志:武藝圖譜通志(ムイェドボトンジ:무예도보통지)の絵を修正着色したものです。武芸図譜通志はかの有名な白東修(ペク・ドンス:백동수)が実践を主管した武芸書で、第22代正祖(チョンジョ:정조)李祘(イ・サン:이산)の命により1790年に完成を見ました。この中にも残念ながらテッキョンは出て来ません。出てくるのは拳法で、足よりは手が主体のものです。
結局のところテッキョンは、実践的な技と言うよりは、おそらくは広大(廣大:クァンデ:광대)の軽業芸を近代になって武術的に再構築したものではないかと思われます。広大とは大道芸人で賤民です。文字による伝承がないのも広大であればもっともなことで辻褄が合います。もちろん、仮説ですが、あながち外れてはないと思われます。
韓国の時代劇は全般的にリアリティーよりファンタジーに傾倒しているため、アクションも現代のテイストをふんだんに取り入れています。
それでも、言葉と音楽・身振りは密接に関わっており、テッキョンも三拍子を主体とした動きで構成されているのは非情に興味深いことです。そして、朝鮮半島のリズムからあのようなアクションが好まれていることもまた興味深いですね!
以前、韓国歴史ヒストリアで記事にしたパンソリの三拍子 騎馬民族の名残りも合わせて呼んでみてください。
第27話に続く
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