トンイ考2 チャン・ヒビンとの戦い

トンイ考2 チャン・ヒビンとの戦いはトンイ考の後続サイトです。韓国時代劇トンイについて歴史的背景などを考察します。

チャン・ムヨルはどうして軍服を着て軍権を掌握しているのか? トンイ第58話解説(あらすじ含む)

   

[ad#300-250]ハン・ヒョジュ、チ・ジニ主演、イ・ソヨン、ペ・スビン、パク・ハソン出演の韓国時代劇トンイ(同伊:동이)の第58話の解説(あらすじ含む・ネタバレあり)です。

中殿(チュンジョン:중전)も交えてトンイ側とチャン・ムヨル側とのバトルが行われた58話。

チャン・ムヨルの罠に引っかかったように見せかけて、トンイは見事にそれをかいくぐり、最後にはチャン・ムヨルを捕縛するに至りました。

世子暗殺未遂事件 耆老所とは?(BS放送時の58話の記事)

 

同伊(トンイ:동이)

 

さて、 文官のはずのチャン・ムヨルはどうして軍服を着て軍権を掌握していたのでしょうか?

前話からその傾向が強かったのですが、役職などの重要な情報がことごとく訳されていなかったために、日本語のセリフだけだと、なんとなくのストーリーしかわからない状況が続いていました。

そのため、役職にフォーカスを当てつつ、ドラマの設定を解説してみます。

 

チャン・ムヨルは兵曹参判(ピョンジョチャンパン:병조참판)

兵曹(ピョンジョ:병조)とは朝鮮の根幹をなす六曹(ユクジョ:육조)の中で、軍事と郵駅に関する仕事を行う官庁です。チャン・ムヨルの役職はナンバー2の兵曹参判(ピョンジョチャンパン:병조참판)です。

このことからもわかるように、チャン・ムヨルは文官でありながら極めて武官に近い性格のセクションの役職者だったのです。そのため非常時に現場指揮を執るという理由で軍服を着ていてもなんら問題はありません。

けれど、通常は王宮内に兵曹直属の兵を入れることはできません。そんなことが許されると、簡単に謀反が達成される可能性があるからです。

それでは、なぜ今回それが許されたのでしょうか?その紐を特には57話に遡らねばなりません。

 

判義禁府事(パニグンブサ:판의금부사)登場

兵がチョンスの命令を聞くことができないと言い、その直後、チョンスが上役に、たしなめられたシーンがありましたが、実はそこで語られています。

あの人は義禁府(ウィグムブ:의금부)のトップの判義禁府事(パニグムブサ:판의금부사)です。これはチョンスのセリフで分かります。判義禁大監(パニグムテガム)と言っています。

そして、その時の設定は以下のとおりです。

  1. 粛宗(スクチョン:숙종)温陽行宮(オニャンヘングン:온양행궁)へ行く
  2. 内禁衛(ネグミ:내금위)が随行しているため、宮廷内の警備が不在
  3. 代わりに義禁府が警備をしている
  4. けれど、チャン・ムヨルの進言により義禁大監はチョンスに疑念を抱き、指揮権をチャン・ムヨルに委ねる
  5. チャン・ムヨルは兵曹直属の兵を宮廷内に入れる

 

兵が登場してきても所属が違うと役割が異なるのですが、文字数の関係からか訳をかなり端折ってしまっており、何がどのようになっているのかわからなかったのではないかと思います。

漠然としたストーリーの把握なら日本語訳で十分ですが、詳細を知ろうとすれば、やはりオリジナル音声のリスニングが必要なようです。

 

参考:捕盗庁・義禁府・内禁衛(旧トンイ考)

【参考】 韓国歴史年表トンイ編  ・・・ 粛宗代の史実年表。性格的にあらすじのネタバレも含まれます。

 

第59話に続く

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