セリフの日本語化は難しい?ちょっと気になった訳も トンイ第40話解説(あらすじ含む)
2013/11/18
[ad#300-250]ハン・ヒョジュ、チ・ジニ主演、イ・ソヨン、ペ・スビン、パク・ハソン出演の韓国時代劇トンイ(同伊:동이)の第40話の解説(あらすじ含む・ネタバレあり)です。
出てきましたね~、ケドラ。
『チョンス ヒョンニム?(チョンス兄さん?)』とチョンスに気づくところは何度見てもグッときてしまいます。
さて、現在地上波で放送されているトンイは、昨年BSで放送されたものの再放送ということもあり、韓国で発表されてからすでに3年以上が経過しています。
来年は、現在BSで放送中の馬医(マイ:마의)が、そして再来年は、個人的なカンでは現在MBCで放送されている奇皇后(キ・ファンフ:기황후)が放送されるのではないかと思います。
奇皇后はトンイや馬医が放送されたMBC月火枠のドラマですし、何より主演がハ・ジウォン(하지원)ということで、NHKとの親和性も高い作品です。あまり親しみのない高麗(コリョ:고려)末期のお話ですが、かなり面白いです。
セリフの日本語化は難しい?ちょっと気になった訳も
現在、新しく立ち上げたサイトで、奇皇后だけでなく現代ドラマのあらすじもアップしています。特に注力しているのが、イ・ミンホ(이민호)とパク・シネ(박신혜)主演の王冠をかぶろうとする者、その重さに耐えろ 相続者たち(ワングァヌル スリョヌンジャ、ク ムゲルル キョンドョラ サンソクジャドゥル:왕관을 쓰려는자, 그 무게를 견뎌라 – 상속자들)です。
シークレット・ガーデンの脚本家キム・ウンスクさんが手がけているドラマだけあってセリフが秀逸で、ついつい多めにセリフを起こしていたら、結局、ほぼ全訳の1万~1万5千文字を記述するに至ってしまいました。
そうしてつくづく感じたのがセリフ起こしの難しさです。韓国語と日本語にはかなりの互換性があるのですが、どうしても置き換わらない時もあります。そういった時には意訳をすることになるのですが、ニュアンスが全く伝わらないこともあって忸怩たる思いをすることがあります。
ま、そもそも、まともな語学力がないのですが・・・(汗)
また、ドラマの訳を見ていると、互換性に則ってすんなりと訳せるはずのところを、訳者の意向からか、かなり意訳して残念な結果になっていることもあります。今回のトンイでもそんな箇所がありました。トンイがシム・ウンテクと落ち合って清人のたまり場に行くシーンです。
『いつもその場しのぎで、なにをなさるか・・・』と訳されているトンイの言葉は、ほんとうは、『いつも対策がない方だから、わたしが助けて差し上げなきゃ』と言っています。そっくりそのまま韓国語が日本語になるセリフなのですが、なぜだか、意訳されています。
じつは、シム・ウンテクは登場の時から一貫して『対策はない』けどなんとか事を運んでしまうというキャラなんです。こんなクレー人形が作られるくらいです(笑)
25話の義州で妓房(キバン:기방)に訳官として忍びこむ時の描写もそうだったのを覚えていませんか?最初は対策があると言っておいて、『こっそり』忍び込むと言い出したシーンです。その時に、トンイも『そうはいってもなにか対策があるのでは?』と、何度も『対策』という言葉を口にしています。
このシーンの訳では『策』という言葉が使われていました。
その後も何話だったか忘れましたが同じようなシーンが有ったはずです。おそらくトンイを見ていて『対策のないシム・ウンテク』というイメージはあまり持たなかったかもしれませんが、ドラマの描写の中ではこのキャラクターを全面に押し出しています。
ドラマ内の本歌取りが結構あるのが韓国ドラマ
韓国ドラマは長丁場ですが、このように、以前使った言葉やシーンを既視感的に使う手法が多用されます。その点を考慮すると、今回の訳はキャラの個性を消してしまった残念な訳と言えます。
とは言うものの、10数話前のことまでしっかり覚えておいて訳をおこすというのは大変な作業です。その苦労は十二分にわかるるのですが、無料ブログの訳と違い、プロとして請け負った仕事であるため、万全の精度でやらなければならないのは必然です。
そう考えると、今回の訳はやはり残念でした。
【参考】 韓国歴史年表トンイ編 ・・・ 粛宗代の史実年表。性格的にあらすじのネタバレも含まれます。
第41話に続く
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