トンイ考2 チャン・ヒビンとの戦い

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シム・ウンテクの役職・司憲府持平とは? トンイ第36話解説(あらすじ含む)

      2013/10/27

[ad#300-250]ハン・ヒョジュ、チ・ジニ主演、イ・ソヨン、ペ・スビン、パク・ハソン出演の韓国時代劇トンイ(同伊:동이)の第36話の解説(あらすじ含む・ネタバレあり)です。

ついに、張希載(チャン・ヒジェ:장희재)騰録類抄(トゥンノンユチョ:등록유초)を手にしているところを押さえたトンイたち。騙されるふりをして、まんまとその上を行きましたね。

※騰録類抄自体は本来はなんでもない各地方の状況を取りまとめた本です。上記リンクで詳細を説明しています。

さて、おちゃらけながらも知能でトンイを助けるシム・ウンテクですが、司憲府持平の職につきました。この役職はどんなものなのでしょうか?

同伊(トンイ:동이)

 

司憲府持平(サホンブ チピョン:사헌부지평)

日本人には『チッピョン』と聞こえる音です。

司憲府(サホンブ:사헌부)というのは官吏を監督する官庁で、巷の風俗を取り締まる役目も担っています。現代の官庁で言えば最高検察庁が一番近いでしょう。そのため、この官庁に登用された人物はスーパーエリートなのです。

シム・ウンテクが拝命した役職の持平(チピョン:지평)は正5品で、実際にはこの職には二人登用されます。正5品ということで、並み居る重臣に比べると品階は低いのですが、その職責からも、ある程度一目を置かれる立場となります。

彼の直属の上司は従2品大司憲(テサホン:대사헌)です。この2つの役職は時代劇には頻出ですので覚えておくと良いでしょう。ちなみに、その間には、従3品執義(チビ:집의)、正4品掌令(チャンリョン:장령)という役職があります。

 

司憲府は王にとっての頭痛の種にも

この司憲府(サホンブ)と司諫院(サガンウォン:사간원)を合わせて臺諫 (テガン:대간) と呼ぶこともあります。官僚を監察弾劾する官吏を指す臺官(テガン:대관)と、王に諫言を行う官吏を指す諫官(カンガン:간관)を合わせてこう呼ぶのですが、この2機関は、法制度上、王に向かって堂々と意見ができるようになっています。

そのため、王の抵抗勢力がこの機関にいる場合には、しばしば王権の弱体化も起こります。逆に王の息のかかった者がいれば、政治を円滑に行いやすくなるのです。

シム・ウンテクは架空の人物ですが、粛宗(スクチョン:숙종)が彼にこの職を与えたのには、自身の政治活動を円滑にしようとする意図があったわけです。

さらに、先述したように検察権(警察権も)を持っているため、不正を行うものを捕らえる権限を有します。これについてはいくら品階が高い者でも抗うことができない強権です。

トンイ第36話で、張希載(チャン・ヒジェ)やオ・ユンが捉えられたのも、シム・ウンテクが捜査を行ったからにほかありませんでした。

意外と見落としがちな設定ですが、これが他の役職であれば、このようにスムースにことが運ばなかったのです。こういった設定の妙も、時代劇を楽しむ興ですね!

 

【参考】 韓国歴史年表トンイ編  ・・・ 粛宗代の史実年表。性格的にあらすじのネタバレも含まれます。

 

第36話に続く

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