太陽を抱く月 第1話 2つの太陽と1つの月(あらすじ含む)
2014/05/10
キム・スヒョン、ハン・ガイン主演韓国ドラマ、太陽を抱く月(ヘルル プムンタル:해를 품은 달)第1話の解説(あらすじ含む・ネタバレあり)です。
はじめに韓国の放送そのままに架空の朝鮮の物語とテロップが出たことに驚きました。
当然端折ると思っていたのですが、きっちりと説明してきました。
さて、朝鮮王朝を題材にしているということもあり、血なまぐさい骨肉相食む王族間の争いが、この物語の背景にあります。
もっとも、当の王族本人には謀反の意志はなくても、邪な臣下に担ぎ上げられるのです。政敵を追い落とすために利用され、謀反人に仕立て上げられたりすることもありました。朝鮮時代は無実の罪で無念にも死んでいった王族が数多くいる時代なのです。
ドラマの冒頭では、現王ソンジョの御代を盤石のものにし、外戚の権勢を高めるために、大妃(テビ)の甥ユン・デヒョンがソンジョの異母弟ウィソン君(グン)を亡き者にします。
大妃にとっては義理の子ですが、夫の先王が他の女に産ませた子です。嫉妬深い女性であれば憎むべき、かつ、自分の子の王位を脅かす者として削除の対象とするのです。
これがある意味ドラマの前振りで、今後イ・フォンとヤンミョン君(グン)との間に起こる出来事を暗示しています。
主人公で世子(セジャ:세자)のイ・フォンとヤンミョン君(グン)は兄弟ですが、イ・フォンは中殿(チュンジョン:중전)の子であるため年若くとも嫡男で、ヤンミョン君は後宮腹なので長男であっても一介の庶子に過ぎません。
先に生まれていても、どんなに優秀でも、庶子は庶子。嫡男がいる限り王統を継ぐこともはできません。そのため必然的に父王から冷遇されてしまうのですが、そのことにより大きな葛藤が生まれるわけです。
その葛藤を表すために、このドラマでは2つの太陽という表現を用いています。実際の朝鮮においては傍系が王位につくには第14代宣祖(ソンジョ:선조)まで下らないとなりませんが、タイミングさえ合えばヤンミョン君は太陽に成り得たのです。
イ・フォンの父ソンジョには『成祖』という字が当てられています。『成』の字のつく王は第9代成宗(ソンジョン:성종)がすぐに思い当たります。太陽を抱く月は架空のドラマですが、王権を取り巻く状況、大妃が尹氏であるなどからして、成宗をモデルにしているフシもあります。
ところで、前提条件として、彼の治世の間、または王になる段階で、かなり大きな政変なり外敵の侵入があったことが考えられます。それは王の名に『祖』が付いているからです。
大妃がウィソン君を排除したことからも、即位の段階で政変があり、王権が不安定だったとも考えられます。このあたりも、ドラマのエッセンスとなる前提条件ですね!
日月図(イルウォルド:일월도)
さて、王が太陽ならその太陽と対になるものが月であり中殿(チュンジョン)を象徴しています。
上の画像は王の席の背後を飾る日月図(イルウォルド:일월도)です。がまさにこの図の太陽と月は王と王妃(中殿)を表しています。
太陽の子と出逢ったヨヌは月になることができるのでしょうか?それとも・・・
ちなみに、ヨヌには霧雨の雅語である『煙雨(연우)』が当てられています。綺麗な言葉ですよね~。
次回は星宿庁(ソンスチョン:성수청)について説明する予定です。(予定は未定:笑)
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太陽を抱く月 第1話 2つの太陽と1つの月(あらすじ含む)