太陽を抱く月 小説を読み始めたのだけど!?
2015/04/06
2013年1月から王女の男の後続としてNHKBSプレミアムで放送される太陽を抱く月(ヘルル プムンタル:해를 품은 달)の小説を読み始めました。
この物語については何度も取り上げているからご存じの方も多いと思いますが、一般的なドラマのノベライズではなく、小説のほうが原作です。
成均館スキャンダルの原作・成均館儒生たちの日々(ソンギュングカン ユセンドゥレ ナナル:성균관 유생들의 나날)を書いた小説家チョン・ウングォル(정은궐)が執筆しています。
ドラマの方の作家は別にチン・スワン(진수완)が担当しており、原作がネタバレにならないように変更しながら構成したとのことですので、先に小説を読んでおいても問題はないでしょう。
ただ、チョン・ウングォルの作品の世界観は素晴らしいので、原作がドラマ化されることを好ましく思わない方もものすごくいたようです。そのあたりはご自身の判断でなさって下さい!
太陽を抱く月 (上) 下巻もあります!
さて、読み始めたといっても、この翻訳版ではなく原書の方です。はっきり言ってものすごく大変です。おそらく日本語の本を読むときの30~40倍は時間がかかっていると思います。すんなりとわかるのは時代劇でよく聞くフレーズや歴史用語だけです。
チョン・ウングォルの小説はおしなべて詩的な表現が多いです。これがまたとても秀逸で、秀逸であればあるほど日本人には難解なのです。日本語であれば詩的な文章でも上から下に読みながら勝手に理解できますが、韓国語では数行訳した上でようやく内容がわかるといった工合です。
というわけで、今のところ2時間ほどかけてようやく1章が終わったところです。気が遠くなりそうですが、しっかりと読み終えたいと思います。
これまでに分かったことはこの小説の架空の朝鮮が第11代中宗(チュンジョン:중종)以降で第14代宣祖(ソンジョ:선조)までの治世だと思われるということです。
第一章には花潭(화담)の詩が引用されています。彼の本名は徐敬德(ソ・ギョンドク)で、儒者としてとても高名な人です。ドラマ ファン・ジニを見た方なら、チニの誘いを断った儒者がいたことを覚えていると思います。朴淵瀑布(パギョンポクポ박연폭포)、ファン・ジニ(황진이)とならび松都三絶(ソンドサムジョル:송도삼절)と歌われた人物なのです。
彼は中宗の死後2年して無くなっていますので、引用があるということは中宗以降ということになります。
次のヒントは昭格署(ソギョンソ:소격서)という道教儀式やその保存を行う官庁が登場することです。この官庁は朝鮮建国以来から続く官庁なのですが、中宗の時代に有名な儒者で朝臣の趙光祖(チョ・グカンジョ:조광조)の反対により邪教を司る官庁だという理由で1518年に一旦廃止されます。
その後、1525年に中宗の母の病気治癒を祈るために復活したものの、宣祖(ソンジョ)代の1592年に起きた秀吉の朝鮮出兵・壬辰倭乱(イムジンウェラン:임진왜란)により、なし崩しに廃庁となりました。
このことからもわかるように、実在の王に当てはめるとしたら、以下の4人ということになります。
- 第11代 中宗(チュンジョン:중종:1506-1544)
- 第12代 仁宗(インジョン:인종:1544-1545)
- 第13代 明宗 (ミョンジョン:명종:1545-1567)
- 第14代 宣祖(ソンジョ:선조:1567-1608)
もっとも、太陽を抱く月はフィクションですのでサーチしてもしかたのないのですが、設定となっていそうな時代を探すのも一興です!
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太陽を抱く月 王女の男の後続としてNHKBSプレミアムで放送決定!