二人工の秘密とは? 太陽を抱く月 第6話解説(あらすじ含む)
キム・スヒョン、ハン・ガイン主演韓国ドラマ、太陽を抱く月(ヘルル プムンタル:해를 품은 달)第6話の解説(あらすじ含む・ネタバレあり)です。
韓国時代劇にかぎらず韓国ドラマを見ていると、結構、漢字についての解説を目にします。日本に入ってきているドラマではそれらを省略しています。
というのも、日本人には当たり前の表現でも、韓国人には難しいと思える漢字語が多数存在するからです。
そういった解説を見ては韓国人が漢字を捨てた弊害が出ているのだなと思うわけです。
漢字語は日韓でかなり共通していて、日本人は字面を見ただけで知らない単語でも意味はわかるのですが、韓国人はその言葉自体を知らなければお手上げ状態となります。
このような韓国人の現状があるため、韓国ドラマにおいて漢字はより高尚で神秘的なものとして取り扱われます。
太陽を抱く月でも御多分にもれず漢字が神秘的に利用されています。登場したのは『巫女』の『巫』の字を分解した『二人工』です。ドラマ内の描写では『二人工』がそれぞれ合わさって『巫』の字を形成しました。
日本人なららこの時点で『巫女の巫か~』とわかるわけですが、韓国人にはこれ自体をちゃんと説明しないとわかりません。
記事の題目に秘密なんて書いちゃいましたが、秘密でもなんでもありませんね(笑)
実はこのような破字(パジャ:파자)の手法は朝鮮において何度か使用されています。代表的なものを2つ紹介しましょう。
1.木子得國(モクジャトゥッグク:목자득국)
厳密に言うと高麗(コリョ:고려)末期に流行したと言われている童謡です。『木』と『子』を合わせると『李』になりますよね?意味は『李氏が国を得る』となります。ようするに、李成桂(イ・ソンゲ:이성계)が新しい国を得るという意味です。
民心は天の声というくらいですから、それを利用してイ・ソンゲがこの歌を流行させたのかもしれません。また、噂が流れてきてこの歌ができたのかもしれません。真相は定かではありません。
2.走肖爲王(チュチョウィワン:주초위왕)
これも大変有名なエピソードで、第11代中宗(チュンジョン:중종)の忠臣で士林の領袖・趙光祖(チョ・グァンジョ:조광조)が謀反人に仕立て上げられ死を賜った己卯士禍(キミョサファ:기묘사화)の際に使われました。
『走』と『肖』という字を合わせると『趙』と言う字になりますよね?ようするに、『趙が王に為る』という意味です。当時は中宗反正(チュンジョンバンジョン:중종반정)後で、功臣たちがその功を盾に理想とは程遠い政治を行なっていました。
そこに儒教の性理学を学んでいる学者たちが大挙して朝廷に入ってきたものですから、既得権益まみれの功臣たちは、彼らを煙たがりました。
そこで、葉に蜂蜜で『走肖爲王』と書き、それを虫に食べさせることで、謀反の物証としたのです。結局、士林勢力は70名もが死を賜りました。
このような漢字文化圏ならではの設定をダイレクトに楽しめることは、日本人の特権ですね!
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