七去之悪(チルゴジアク) 嫉妬を増殖させる王妃 太陽を抱く月 第9話解説(あらすじ含む)
キム・スヒョン、ハン・ガイン主演韓国ドラマ、太陽を抱く月(ヘルル プムンタル:해를 품은 달)第9話の解説(あらすじ含む・ネタバレあり)です。
一介の厄受巫女(エッパジムニョ:액받이무녀)ウォルに対して嫉妬心を増殖させる王妃ポギョン。
けれどそれは、決して朝鮮の女が決してやってはいけないことでした。
原作では父に翻弄され意思を持たない弱々しい姿で描かれていたポギョンですが、ドラマではフォンの寵愛を切望する女としての姿が鮮明に描かれています。
そのためウォルに嫉妬して、あろうことか大殿にまで乗り込みます。現代の感覚では理解に苦しむかもしれませんが、『嫉妬』は嫁ぎ先から追い出される7つの悪・七去之悪(チルゴジアク:칠거지악)の一つでした。
以下にその7つの悪を記載します。
- 不順舅姑(プルスンクゴ:불순구고) 夫の両親に従わない、孝行しない
- 無子(ムジャ:무자) 息子を産めないこと→ 子孫繁栄を妨げる
- 淫行(ウメン」음행) 正当な血統が担保できない
- 妬忌(トゥギ:투기) 嫉妬すること → 子孫繁栄を妨げる
- 悪疾(アクジル:악질) ハンセン病・てんかんなどの遺伝病や疾患がある
- 口舌(クソル:구설) 言葉が多い → 家庭内の不和を招く
- 窃盗(チョルド:절도) 盗みを働く
7の窃盗は刑法上の罪ですが、それ以外は儒教的慣習による悪(罪)です。このことからもわかるように、子孫繁栄を妨げる行為は悪とみなされ、嫉妬がひどいとそれだけでも家を追い出されることがありました。
実際に中殿(チュンジョン:중전)の座にありながら嫉妬が理由で王宮を追われたのが、第9代成宗(ソンジョン:성종)の継妃だった廃妃尹氏(ペビユンシ:폐비윤씨)です。
両班の女性の規範・内訓(ネフン:내훈)を記したのが他でもない姑の仁粋大妃(仁粹大妃:インステビ:인수대비)だったということもあり、その後、彼女は賜死されるという憂き目にあいました。
ポギョンの人生は朝鮮王家に嫁いだ女人の悲哀のを具現化したものです。実際に王の寵愛を受けられないばかりか、王子を為すことがなかった中殿は少なからず存在します。そして、そんな時には必ずといっていいほど国が乱れます。
韓国時代劇を見ていると、臣下が世継ぎを切望するシーンが多く出てきますが、経験則上、王統の安定が自分たちの安定に直結するということを理解していたのです。
今回、ポギョンの行為から嫉妬が悪であることと、七去之悪(チルゴジアク)がどのようなものであるかを見て行きました。こういった慣習があることを覚えておくと、時代劇を視聴するにあたり、より深い理解への一助になると思います。
特に嫉妬については色々なドラマで何度も出てきますので、覚えておいてください!
太陽を抱く月OST 時間に逆らって(シガヌル コスルロ:시간을 거슬러) リン(린:LYn)
月の光が沈む(タルビチ チゴ:달빛이 지고) ヘオラ(해오라:Heora)
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