王になった男 感想(あらすじ含む)
王になった男(原題:光海 王になった男:クァンヘ, ワンイデンナムジャ:광해, 왕이 된 남자)を見ました。
2012年9月13日の記事で『本日、韓国で封切られる』と紹介したのですが、韓国時代劇映画としては意外と早い日本上陸だったのではないかと思います。
こちらに以前の記事のリンクを張っておきます。簡単に歴史解説をしています。 → 光海 王になった男
主演がイ・ビョンホン、ハン・ヒョジュ主演でしたので、勝算ありと見たのでしょう。実際に初週の観客動員もまずまずで、ボックスオフィスにも10位にランキングされました。
けれど、注目すべき俳優は都承旨(トスンジ: 도승지)許筠(ホ・ギュン:허균)を演じたリュ・スンリョンです。
韓国時代劇ファンには風の絵師での悪役ぶりが印象に残っていると思いますが、彼はドラマよりも映画のほうで好成績を収めています。現在韓国で上映中の映画もそろそろ興行1000万人を達成しそうです。
個人的にも朝鮮の歴史上有数の天才・許筠(ホ・ギュン)が好きだということもあって、贔屓目に見た部分はありましたが、なかなかいい演技を見せてくれます。
許筠(ホ・ギュン)については、ホ・ギュン 朝鮮王朝を揺るがした男でドラマ化もされていますが、このドラマ、あまり女性には人気がありません。ボク個人は食い入る様に見たのですが(笑)
許筠(ホ・ギュン)だけでなく姉で、朝鮮では数少ない女流詩人・ 許蘭雪軒(ホナンソロン:허난설헌)も登場します。彼らのイメージもあり、朝鮮王朝をモチーフにした架空のドラマで、頭の良い人物が登場すると、ほとんどが許氏なのです。
ちなみに、リュ・シウォンのご先祖様柳成龍(ユ・
話がかなりそれてしまいました。本題に戻しましょう。
王になった男をひと通り見て思ったのは、予備知識がないとなんのことやらわけがわからないだろうということです。おそらくほとんどの人が、賤民が王になってその庶民感覚から善政を行ったということぐらいしかわからなかったのではないかと。
光海君(クァンヘグン:광해군)は少なからず臣下から軽んじられた部分があり、それがコンプレックスとなったともいわれています。彼は第15代の王ですが、彼の父で第14代王宣祖(ソンジョ:선조)は朝鮮王朝の歴史において、初めて傍系から王になりました。それまではずっと直系が続いていたのです。
傍系といっても初代・李成桂(イ・ソンゲ:이성계)からの血脈を受け継いで入るのですが、朝鮮の価値観からすると王統の弱さは否めません。さらに光海君(クァンヘグン)自身は次男で庶子であったために、その正統性に終始ケチがついています。
映画では尺が短いこともあって、光海君(クァンヘグン)についてあまり語られていません。韓国人は彼が大体どんな人生を送ったかを知っているため、偽の王との対比を興味深く視聴したのだと思いますが、やはり日本人は少し勉強してから見に行ったほうがいいと思います。
または、一度映画館で見たあと、DVDなりで見返すことをおすすめします。
次の記事では年表を紹介します。
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