韓国歴史ヒストリア

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王女の男19話 成三問が言ったナーリという言葉

      2012/11/26

王女の男(原題:公主の男:コンジュエ ナムジャ:공주의 남자)19話。

王女の男はスンユとセリョンのラブストーリーがメインで歴史的描写は二の次ですが、実は今回放送されたシーンは端宗(タンジョン:단종)復位事件と死六臣(サユクシン:사육신)のメインとなるシーンでした。

吹き替えではその有名なエピソードがうまく伝わらないため、有名なシーンだということがわからなかったと思います。どのシーンかというと、世祖(セジョ세조)が直接尋問を行った鞠問(クンムン)のシーンです。

歴代王も含めた王の取り立てを受けていた成三問(ソン・サンムン:성삼문)に、自分を殺そうとしたことを咎めた世祖。事実、成三問は左副承旨(チャブスンジ:좌부승지)として今で言う大統領秘書室の一員という要職についていました。

そんな彼が世祖に対して「ナーリ(나리)」と言ったのです。一般的には「旦那様」と言う意味で、ナウリ(나으리)ともいうのですが、王の嫡出子である大君(テグン:대군)に対する呼称でもあります。成三問は王に対して「お前は王ではなく、一大君だ」といったわけです。残念ながら吹き替えでは首陽大君(スヤンテグン:수양대군)となっていたため、世祖に屈辱感を与えたことがわかりにくかったと思います。

世祖は自分からの俸禄も受け取っているではないかと言いましたが、成三問は世祖から受け取ったものには一切手を付けず、蔵の中に積んだままにしていました。世祖は優秀でもあり集賢殿(チッピョンジョン:집현전)時代からの長い付き合いの彼を殺したくはありませんでしたが、公の場でこのような態度を取られては殺さざるを得ませんでした。

そして、事件の一週間後の1456年6月8日、軍器監(クンギガム:군기감)前で車裂刑(コヨルヒョン:거열형)により死刑とされました。ちなみに、車裂刑とは四肢と頭に縄をかけ、牛車に結びつけて5方向から引っ張るというおぞましい死刑方法で極刑です。そして男子の家族も皆殺しにされ女子は奴婢に落とされました。

一方のセリョンですが「身體髮膚 受之父母(신체 발부 수지 부모:シンチェパルブ スジプモ)」と言い髪を切ることで父王世祖と縁を切りました。日本語でも身体髪膚という4文字熟語になっているので、この言葉を知っている方も多いと思います。本日のイ・サン71話の再放送にもこの言葉が出てきましたが、時代劇にはよく登場する言葉です。

自分の身体を毀損しないことが孝行のはじめであり、もしこれを破るということは自殺をするに等しい不孝でした。だからスンユにヒゲが生えてないのはとんでもない時代考証無視なのですが、ま、それはおいといて、セリョンは究極の方法で親に反抗したわけです。

身体髪膚については以前イ・サン考でもとりあげていますので、全文を見たい方はチェックしてみてください。

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