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階伯(ケベク)8話 薯童謠(ソドンヨ)とは?

      2012/11/26

階伯(ケベク:계백)第8話のレビュー(あらすじ含む)です。

今話では義慈(ウィジャ:의자)が、父・武王(ムワン:무왕)が母・善花王后(ソンファワンフ:선화황후)と縁を結んだ時に薯童謠(ソドンヨ:서동요)という郷歌(ヒャンガ:향가)を使ったことを真似て、同じように子供たちに歌を歌わせ既成事実を作り大佐平(テジャピョン:대좌평)の娘を娶ろうとした様子が描かれました。

薯童謠(ソドンヨ:서동요)に関しては同名のイ・ビョンフン監督作品に詳しいので、それを参照されたい。と、いいたいところですが、全部見ると大変なので簡単に解説します。

朝鮮半島の2大歴史古書でありながら、信ぴょう性がないと言われている三国遺事(サムグクユサ:삼국유사)に紹介されているこの説話は、新羅の真平王(チンピョンワン:진평왕)の3女で善徳女王(ソンドンニョワン:선덕여왕)の妹・善花公主(ソンファコンジュ:선화공주)と百済(ペクチェ:백제)第30代王・武王(ムワン)の物語です。

のちに武王(ムワン)となるチャン(장)は宮廷で育った王子ではなく在野にいました。野草や薬草・山芋などを取ったりしていました。このような童子を薯童(ソドン)と呼んでいました。薯童(ソドン)とは本来特定の個人を表す名詞ではありませんがチャンは幼いころ薯童(ソドン)と呼ばれていました。

美しいとのほまれ高い善花公主(ソンファコンジュ)の評判を聞いた薯童(ソドン)は新羅(シルラ:신라)へ行き、子供たちの口を喜ばせ手なずけます。そして、歌を教え歌わせました。

「善花公主(ソンファコンジュ)はこっそり付き合っちゃって、夜な夜な薯童(ソドン)の部屋に内を抱えて行ってるのさ?」

という、下世話な歌です。これがたちまち首都ソラボルに広がり、臣下が知ることになり、ついには王の耳にも入ってしまいます。そのため善花公主(ソンファコンジュ)は都を追われ流刑となりました。するとその道中に薯童(ソドン)がひょっこり現れて、なぜだか彼を信じきった善花公主は情を結んだのでした。

こうして策士・薯童(ソドン)はうぶな善花公主(ソンファコンジュ)をまんまと騙し、自分の妻としたのです。と言っちゃうとロマンティックのかけらもありませんが、この物語は昔から伝わるロマンスとしてとても有名です。

当サイトで既述のように善花公主(ソンファコンジュ)自体がグレーな存在ですので、信ぴょう性はないのですが、説話が千数百年の時を経ても伝わっていることに意義があるのだと思います。

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