ケベクが奴隷に?ありえないストーリーに・・・
2012/11/26
階伯(ケベク:계백)第7話のレビュー(あらすじ含む)です。
周知の通り、ほとんどがフィクションとしてストーリーが進行していますが、第7話では個人的に最も嫌いな設定とも言える、英雄ケベクが奴隷になるストーリーが敢行されました。
このような設定を最初に見たのは、高句麗(コグリョ:고구려)末期、ある意味高句麗を滅亡に導いた淵蓋蘇文(ヨンゲソムン:연개소문)を描いた2006年のSBSの同名ドラマでした。
同時期にKBSで放送された大祚栄(テ・ジョヨン:대조영)でも大祚栄が淵蓋蘇文の家隷として描かれていましたが、まだ越境しないだけマシでしたし、KBSは比較的史実を重視するため、ドラマ淵蓋蘇文より重厚感がありました。
ドラマ淵蓋蘇文で青年期はイ・テゴン、壮年期はユ・ドングンが演じている淵蓋蘇文は青年期に奴隷となり新羅(シルラ:신라)に押送され、なんと金庾信(キム・ユシン:김유신)の家隷になります。その後、唐に行って第2代皇帝・李世民とも友情を育むというあきれて物が言えない設定でした。
個人的にドラマ・淵蓋蘇文(ヨンゲソムン)を世紀の駄作として認識していますが、残念なことに同じようなことをドラマ階伯(ケベク)でもやってしまったのです。
実はこの設定は枚挙にいとまがなく、現在放送されているイ・テゴン主演の広開土太王(クァンゲトテワン:광개토태왕)やキム・スロでも敢行されました。
一度底辺にまで落としその後の垂直上昇を描くことでストーリーをドラスティックに見せる手法ですが、歴代ドラマで三国時代の英雄のほとんどが奴隷になるというくだらない雨後の筍手法は、これで最後にしてほしいものです。逆にストーリーが陳腐になってしまいます。
ドラマ階伯(ケベク)でも、奴隷になったケベクが戦場で金庾信(キム・ユシン)の配下になり面識を持ってしまいます。はっきり言ってこんな設定はありえませんし必要もありませんでした。この設定のために個人的にケベクを視聴するテンションが下がってしまい途中で視聴をやめる大きな一因になりました。
韓国史劇では史実がわからないのをいいことに、脚本家がやりたい放題やったり調度の時代考証が無視されたりしますが、三国時代のドラマではそれが特に顕著です。多くの歴史家が脚本家の暴挙と指摘するのも頷けます。
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