韓国の時代劇、歪曲にも程がある
2012/11/26
本日付の朝鮮日報日本語版に韓国の時代劇、歪曲にも程があると李翰雨(イ・ハンウ)企画取材部長の記事が載っていました。
彼が指摘したのは世宗大王の御代をサスペンス調に描いた「根深い木」に、著しい歪曲があり、歴史ドラマとして描かないほうが良いという主張です。
ボクは韓国時代劇愛好者ですが、この主張には同意せずにいられません。
韓国時代劇にはあまりにも歪曲が多いので、ハナから史実ではないというスタンスを取って見るようになりました。
そして、ドラマを見ながら史実を負う作業が日常となりました。トンイ考をはじめたのもそのためです。
ここまで割り切ると、歴史も好きな時代劇愛好者として、気を楽にしてドラマを楽しむことができますが、一般の視聴者はドラマに影響されて、歪曲された史実が事実であると誤認することでしょう。
実は最近、階伯(ケベク)を見始めました。滅亡した百済末期の悲劇の将軍のお話ですので、あまり資料がありません。
そのためフィクションの要素が大きくなるのが必然なのですが、やってはいけないことをやってしまいました。
ケベクが新羅の奴隷兵となり、金庾信(キム・ユシン:김유신)と出会い、ともに戦っているではありませんか!
このパターン。世紀の大駄作淵蓋蘇文(ヨン・ゲソムン:연개소문)とそっくりです。
このドラマでも、ヨン・ゲソムンは唐の太宗・李世民と友になり、キム・ユシンお抱えの奴隷となったりと、支離滅裂な内容でした。
よくもまあSBSはこのような駄作に仕上げたものかと思っていたら、MBCも同じようなことをやってしまいました。
調度品などを誤って使ってしまったり、多少デフォルメして使用する程度なら我慢できます。
また、ある事実に基づいて解釈の違いを通すのなら問題はないのですが、韓国時代劇では、死ぬはずの人間が死ななかったり、出会っていないことが史実でわかっている人が出会ったりと、日本では考えられないことが多々あります。
中韓での歴史認識問題もあり、アイデンティティーが揺らぐ状態にあるのはわかりますが、国威発揚にばかり気を取られて、駄作を量産するのは控えて欲しいものです。
原点に立ち返った骨太な史劇を作ってもらえると、知識の修正をしなくてよくなり、とても助かるのですが(笑)
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