屋根部屋の王世子
2012/11/26
屋根部屋の王世子(オクタッパン ワンセジャ:옥탑방 왕세자)
JYJのユチョンと、イ・サンで日本でもおなじみのハン・ジミンが主演ということで話題となっています。
昨年後半から今年前半にかけて、俗に言うフュージョン時代劇が猛威を奮ってますね。
もっともこのドラマのストーリーは、300年前の王世子が世子嬪(セジャピン)を失い、伝えることができなかった愛を、現代にタイムスリップして伝えるというものなので、現代劇なのかも知れません。
3月から放送なので、蓋を開けてからのお楽しみということになりそうです。
屋根部屋の王世子(オクタッパン ワンセジャ)は屋根裏部屋の皇太子と仮題がついていることもあります。邦題がどのようになるのかは?ですが、後者はいただけません。
「オクタッパン」はキム・レオン主演ドラマ「屋根部屋のネコ」の例もあるので「屋根部屋」と訳されるのではないかと思います。「ワンセジャ」はプリンスにして屋根部屋のプリンスにすると無難なのではないでしょうか?
さて、個人的に「ワンセジャ」を皇太子と訳すことに大反対です。
王世子(ワンセジャ:왕세자)は漢字語で「王統を継ぐ王の子」のことを言います。
朝鮮では皇帝のいる中原の国、明または清に冊封されていたため「皇」の字は使えません。訳なのでわかりやすく皇太子とするのも一手法なのかも知れませんが、歴史的に見ると明らかな誤りです。
これがもし、初期高麗や大韓帝国なら全く問題はありません。けれども、舞台が朝鮮王朝ですので、ここはしっかり線引きをして「皇」の字は使うべきではないのです。
皇太子には「太」という字も使われていますよね?
この字も朝鮮では創業者の太祖(テジョ:태조)李成桂(イ・ソンゲ:이성계)と、国家の創業者に準ずる王の諡号として李芳遠(イ・バンウォン:이방원)に付けられた太宗(テジョン:태종:第3代)の2人にしか使えません。
ですので、2重の意味で皇太子の使用は避けるべきです。
このあたり、翻訳者に正しい史観があれば良いのですが、なかなか難しいですね。
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