王女の男 14話 鎧を着る首陽と弓の考証は?
2012/11/26
王女の男(原題:公主の男:コンジュエ ナムジャ:공주의 남자)14話。
スンユが生きていたと分かったセリョンの心理描写が秀逸な回でした。
今話でスンユの呼び出しに応じ首陽大君(スヤンテグン:수양대군)が渓谷に行きました。この時に妻の尹(ユン)氏が自ら首陽に鎧を着せました。
史実的にはこのシーンは癸酉靖難(ケユジョンナン:계유정난)の時、金宗瑞(キム・ジョンソ:김종서)宅に乗り込む時のものです。このことは朝鮮王朝実録の端宗(タンジョン:단종)実録1453年10月10日の記載に残っています。
ドラマではスンユが放った矢が腹部に刺さりましたが、癸酉靖難の時にはもちろん無傷でした。
さて、今回気になったのは弓を射る時の描写です。キム・スンユもシン・ミョンも朝鮮半島で脈々と受け継がれている弓の手法ではない方法で弓を引いていました。
上の画像は偶然セリョン役のムン・チェウォンが主演した大ヒット映画「最終兵器 弓」の時のものですが、引き手がグーになっているのがわかると思います。下のおじさんの画像のほうがわかりやすいかもしれません。
上の図では親指がまるまるかかっていますが、朝鮮半島系の弓では弓カクジ(ファルカクジ:활깍지)またはカクジ(깍지)という親指の代わりに弦を引く指ぬきのようなものを使用します。ですので、人差し指から小指までの4本は絶対に弦にかかりません。
スンユは人差し指をかけていたし、ミョンは親指以外の4本をかけていてとても不恰好でした。人差し指・中指・薬指を使うアーチェリー方式は地中海式とも言われ、モンゴル式の朝鮮式とは全く別物の系統なんです。
このあたり、どうして演技指導しないんでしょうね?日本の時代劇で弓を変な方法で射ていたら間違いなくクレームが付きますよね?しかも韓国は弓の国なのに・・・(汗)
弓の引き方指導なんて簡単なのだから、一回さくっと教えればいいだけだと思います。いくらフィクションだからといっても、このようなディティールは大切にしてほしいものです。
王女の男 14話 鎧を着る首陽と弓の考証は?
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