天然痘は位が高い!痘瘡を媽媽(ママ)と呼ぶのはなぜか? 馬医40話
イ・ビョンフン監督が演出するチョ・スンウ(조승우)、イ・ヨウォン(이요원)主演韓国時代劇・歴史ドラマ馬医(マイ/ばい:마의)第40話の解説&感想(あらすじ・ネタバレ含む)です。
一難去ってまた一難。
今度は淑徽公主(スクフィコンジュ:숙휘공주)が痘瘡にかかって命の危険にさらされてしまいました。
公主の治療をめぐり、また一悶着あるのは必須ですね!
天然痘は位が高い!痘瘡を媽媽(ママ)と呼ぶのはなぜか?
天然痘は古くから痘瘡(トゥチャン:두창 )と呼ばれてきましたが、媽媽(ママ:마마)とも呼んでいました。馬医第40話にはどちらの表現も出てきました。
この言葉、どこかで聞いたことがありませんか?
中殿(チュンジョン:중전)ママ、大妃(テビ:대비)ママと言っているのとまったく同じ語源の尊称です。時代劇では公主ママとも言っていますが、実は誤りです。(定着しすぎてそのままになっています)
天然痘というのは中世ではものすごく致死率の高い伝染病だったため、病の神に敬意を評し最高格扱いにして、その力を鎮めるという巫俗的な考えによるものです。
そのため、実際には医師が治療を施すだけでなく、巫女(ムーダン)が祈りを捧げていました。そんなことで治癒するはずはないのですが、それで治癒できると信じられていたのです。もちろん現実には祈りの力が及ばずに亡くなる人は数多にのぼりました。
ママと呼ぶからには『中殿』や『大妃』に当たる呼称があるはずですね?
天然痘の場合には別星(ピョルソン:별성)または戸口別星(ホグビョルソン:호구별성)と呼ばれる天然痘を各家々に運ぶ女神がいるとされていました。
そのため、別星ママと呼んでいたのが、肝心の別星のほうが省略されてママだけが残ってしまったのです。
他にも面白い言い方があり、天然痘をお客様(ソンニム:손님)、麻疹(はしか)を小さいお客様(チャグン ソンニム:작은 손님)と呼ぶこともありました。
お客さんは家々を渡り歩くということと、伝染病の伝染性をかけた言い回しです。
ちなみに、はしかは麻疹(マジン:마진)とも紅疫(ホンヨク:홍역)とも言われ、時代劇にもよく登場しますので、覚えておくとよいでしょう。
【参考】 顕宗(ヒョンジョン:현종) 韓国歴史ヒストリア
馬医第41話に続く
挿入曲 馬医OST たった一つ(オジク タン ハナ:오직 단 하나) ソヒャン(소향)
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