ヒョンとオッパ 70年代の年上男性への呼び名

ラブレイン(サランビ:사랑비:愛の雨)を現在視聴している人は、もちろん字幕ではなく韓国での放送分を、何らかの方法で見ていると思います。

登場人物への呼称に「あれ?」と思いませんでしたか?

ヘジョンがイナに対して「イナ・ヒョン」と呼んでいます。

「女子が年上の男子を呼ぶときにはオッパのはず!」

と、思った方も多いと思います。実は当時はオッパ(오빠)ではなくヒョン(형)と呼んでいたのです。

 

オッパ(오빠)という言葉は韓国の固有語ですが、そんなに歴史は古くありません。お父さんを表すアボジ(아버지)がアッパ(아빠)になったように、オラボニ(오라버니)やオラビ(오라비)がオッパ(오빠)になったと言われていますが、起源は幼児語だとされています。

1895年に編纂された国漢会語(クカンヘオ:국한회어)にはオッパという言葉は出てこないので、20世紀になって定着した言葉ということがわかります。1938年の文世栄(ムン・セヨン:문세영)による朝鮮語辞典(チョソノサジョン:조선어사전)にようやく登場します。

 

70年代後半の韓国は、第四・第五共和国時代で民主化宣言(1987)される前の軍事体制下にありました。男女の関係も現在のように水平的なものではなく、垂直的なものでした。そのため、親しみを込めたオッパよりもヒョンのほうが多用されていたのです。

70年代の大学では、男子の先輩に対して女子の後輩はヒョンと呼ぶのが主流でしたが、90年代には先輩(ソンベ:선배)が主流になり、2000年代になるとオッパが主流となりました。

このあたりのニュアンスは吹き替えでは決してわからないものです。面倒でも字幕を見ながらオリジナル音声で見て欲しいと、個人的には思います!

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