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イ・ガクの正体は景宗?

      2017/05/15

屋寝部屋の皇太子オクタッパン ワンセジャ:옥탑방 왕세자)の主人公イ・ガク(이각)は300年前の朝鮮からタイムスリップしてきた王世子です。

もちろん架空のお話ですが、モデルがいたのでしょうか?それを紐解く鍵はトンイなどの韓国時代劇の中にあります。

300年前の1712年といえば第19代王・粛宗(スクチョン:숙종)の御代です。粛宗とはトンイこと淑嬪崔氏(スクビンチェシ:숙빈최씨)張禧嬪(チャン・ヒビン:장희빈)の旦那様。この時の王世子(ワンセジャ)は李昀(イ・ユン:이윤)のちの第20代王・景宗(キョンジョン:경종)です。彼は1688.10.27生まれですので、1712年には25歳でした。

25歳というと、オクセジャのドラマ内でのイ・ガクの設定も25歳でしたよね?

その他にも、イ・ガクが景宗(キョンジョン:경종)だったことを臭わす設定があります。

景宗の死にまつわるエピソードに、淑嬪崔氏(スクビンチェシ)の子であり、異母弟の延礽君(ヨニングン:연잉군)昑(クム:금)から贈られた柿とケジャンがあります。

このエピソードの詳細はイサン.comの景宗の死と思悼世子 ケジャンと生柿にまとめていますのでご覧ください。

ドラマ内ではパクハの前世・芙蓉が顔にやけどを負う原因となった干し柿(コッカム:곶감)・砒酸(ピサン:비산:ヒ素の一種)が振りかけられた干し柿と、ワタリガニの醤油漬け(カンジャンケジャン:간장게장)が不吉な食べ物としてクローズアップされています。おそらく史実からファクターを取り出したのでしょう。

そして、パクハが図書館で見た朝鮮王朝史(下)。実は個人的にも所蔵している本で、朝鮮王朝研究には欠かせないバイブルです。この下巻は粛宗(スクチョン:숙종)から始まるので、そのことからもイ・ガク景宗がモチーフだと類推することができます。(パクハが開いている箇所はもっと時代が下ったところでしたが:笑)

ちなみに、景宗となった李昀(イ・ユン)の生母は朝鮮3大悪女の一人・張禧嬪(チャン・ヒビン)です。延礽君(ヨニングン)昑(クム)は第21代王・英祖(ヨンジョ:영조)となるのですが、彼をデフォルメしたのがヨン・テムなのかもしれません。

このように、朝鮮の歴史を知っていると、なんとなく史実と絡めたり対比したりできて、オクセジャを見ていてもとても興味深いです。

第8話でオクタッパンの主人は誰だという5人の会話の中で、ト・チサンパクハに対してムスリ(무수리:宮廷内での最下層で下働き)とポツリと言いました。そんな一言をとってもムスリが何であるかわからなければ笑えないシーンです。

その他にも、歴史的ニュアンスがいたるところに散りばめられているのがわかると思います。

例えば、パクハが王宮ということで4人を景福宮(ギョンボックン:경복궁)へ連れて行こうとしましたが、ここは1592年の秀吉の朝鮮出兵の折に、民衆を捨てて北へ逃げた王への憎しみから、民衆によって焼き討ちされたところです。

それ以降274年ほど修復されなかったため、粛宗(スクチョン)の御代では昌徳宮(チャンドックン:창덕궁)が本宮となっていました。ドラマ内でもイ・ガクがそのように説明していますね。

オクセジャは完全なフィクションで、歴史的な解説は不要だと思っていたのですが、歴史的な要素が思わぬ形で散りばめられていて、とてもツボにはまるドラマです。今後どのような展開になっていくのか目が離せません!

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