馬医 第1話 あらすじ&解説
2017/12/07
馬医(マウィ:마의)第1話の解説&感想(あらすじ含む)です。
「なるほどそうきたか!」と思わせる展開でした。
背景は第16代仁祖(インジョ:인조)の時代です。個人的に一番嫌いな王なんですよね~。
というのも、時代を読み違えたばかりでなく、その自分の狭量で子殺しまでやってのけた王だからです。
まず、どういった時代だったのかを説明する必要があるようです。
仁祖(インジョ)というのは諡に「祖」がついてることからもわかるように訳ありの王なんです。先王の光海君(クァンヘグン:광해군)を王座からおろした後に推戴されただけでなく、1636年の丙子胡乱(ピョンジャホラン:병자호란)で清(シン)に屈服した王なんです。
清は朝鮮の上国だった明を滅ぼした女真族(のちに満州族)の国家なので、朝鮮は彼らをオランケと蔑んでいました。そんな民族が中原(中国)を統一したのち、あろうことか朝鮮に臣下の礼を取れと言ってきたもんだから、朱子学で凝り固まった朝鮮は「オランケがなに言ってんだ!」と突っぱねました。
後の祭りとはよく言ったもので、侵攻されたら勝てるはずがないのにこんな態度を取ってしまった朝鮮は、第2代皇帝ホンタイジの親征を受けあえなく撃沈。王自ら跪いて臣下の礼をとったのです。
その後はご多分に漏れず人質を差し出すわけですが、その内の最重要人物が、仁祖の長男で世子だった昭顕世子(ソヒョンセジャ:소현세자)でした。
昭顕世子(ソヒョンセジャ)はバランス感覚に優れ革新的な人物でした。ドラマ内では朝鮮を強くするという目標を掲げていましたが、実際に朝鮮をより良くしようと、朱子学の限界を悟り、人質になってい清に滞在している間に先進的な学問や考え方を学びました。
そんな昭顕世子(ソヒョンセジャ)が帰国すると旧態依然とした考え方の父王や、既得権益を貪っていた臣下たちに煙たがられるわけです。特に屈辱を受けた王はアンチ清でした。そんな王から見れば世子は清かぶれで、許されざる者となっていたわけです。そのため、父であるにもかかわらず、息子の暗殺を実行したのです。
ドラマ・チュノはこの昭顕世子(ソヒョンセジャ)の息子を助ける物語なので、見たことのある方は歴史がつながるかもしれません。
さて、このような背景の中、馬医の第一話に登場したのは、主人公の白光炫(ペク・クァンヒョン:백광현)ではなく、父のカン・ドジュン(강도준)、馬医の息子から養子となり医生となる李明煥(イ・ミョンファン:이명환)、そして神業とも言える針術を持つ医女チャン・インジュ(장인주)というひと世代前の人物です。
上記の歴史解説を読めば、第1話がどのような内容だったかわかると思います。
そして、スタートから波乱に満ちた人生を歩むことになる同じ家で生まれた女の子と男の子が、これから物語を紡いでいきます。