顕宗（ヒョンジョン）の姉妹たち 馬医９話
イ・ビョンフン監督が演出するチョ・スンウ（조승우）、イ・ヨウォン（이요원）主演韓国時代劇・歴史ドラマ馬医（マイ／ばい：마의）第９話の解説＆感想（あらすじ・ネタバレ含む）です。
第９話では、今後の大きなテーマともなる、馬医と人医の差について触れていましたね。『身体髪膚これを父母に受く』の儒教の教えから、馬医が当たり前のように行う解剖さえも忌み嫌うのが当時の人医でした。このことを頭の片隅に置いておくと、今後のストーリーをより一層理解できると思います。
さて、今回は顕宗（ヒョンジョン：현종）の姉妹について見て行きたいと思います。姉妹と限定しているのには訳があります。このころの朝鮮王朝は男子において少子化問題を抱えていたのです。顕宗には兄弟がおらず、息子の粛宗（スクチョン：숙종）にも兄弟がいなかったのです。
さて、ドラマ馬医では、人間関係を簡略化するために、淑徽公主（スッキコンジュ/スクフィコンジュ：숙휘공주：1642-1696）しか登場していません。けれど、他にも姉妹がいました。以下に列記します。
- 淑愼公主（スクシンコンジュ숙신공주：1635-1637）
- 淑安公主（スガンコンジュ：숙안공주：1636-1697）
- 淑明公主（スンミョンコンジュ：숙명공주：1640-1699）
- 顕宗（ヒョンジョン：현종：1641-1674）
- 淑徽公主（スクフィコンジュ：숙휘공주：1642-1696）
- 淑靜公主（スクジョンコンジュ：숙정공주：1645-1668）
- 淑敬公主（スッキョンコンジュ：숙경공주：1648-1671）
- 淑寧翁主（スンニョンオンジュ：숙녕옹주：1649–1666） 安嬪 李氏（アンビン イシ안빈 이씨）の娘
見ての通り、顕宗には７人の姉妹がいました。淑シリーズです（笑）。このうち、公主が６人であることからも分かる通り、孝宗（ヒョジョン：효종）の后・仁宣王后 張氏（インソンワンフ チャンシ：인선왕후 장씨）は６人の娘と一人の息子を生んでいます。見事な女腹です。
このことからも分かる通り、この時期の朝鮮王朝は綱渡り状態でした。もし、たった一人の男子が亡くなってしまったら、傍系から王を擁立しなければなりませんでした。
顕宗の姉妹ですが、長女は夭折しており、次女・三女は嫁いでいるとしても、淑徽公主以下の４名は宮廷にいるはずです。けれど、３名はいないものとしてストーリーは進みます。史実的にもさほど影響のない３人ですので省いても問題ないのですが、登場していればもっと宮中が華やかだったかもしれませんね！
ちなみに、淑徽公主の淑徽は漢字を一つづつ読むとスク・フィとなります。これを発音するとカタカナではスッキとしか表し様がないのですが、逆にスッキをハングルや漢字に戻した場合には他の音韻を持つ単語になる可能性もあります。当サイトでは、元の単語を連想しやすいように『スクフィ』と表示していることがありますのであしからず！
第10話に続く
挿入曲 馬医OST たった一つ（オジク タン ハナ：오직 단 하나） ソヒャン（소향）
http://xn--nckg7eyd8bb4eb9478fjr1g.jp/maui/?p=615