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朝鮮時代の寡婦(未亡人)は悲惨すぎる余生を余儀なくされた 馬医16話

   

イ・ビョンフン監督が演出するチョ・スンウ(조승우)、イ・ヨウォン(이요원)主演韓国時代劇・歴史ドラマ馬医(マイ/ばい:마의)第16話の解説&感想(あらすじ・ネタバレ含む)です。

馬医 キャスト・登場人物

ソ・ウンソが実家に戻り自殺未遂を引き起こしました。彼女は夫に先立たれた寡婦(かふ:未亡人のこと)であり、そのために自ら命を絶つことを選択しましたわけです。

朝鮮時代の寡婦がなぜこのような行動をとったのでしょうか?

馬医(マウィ:마의)ポスター

寡婦の再婚に関しては、中世日本と朝鮮では全く慣習が違います。日本では寡婦だからといって朝鮮ほどの差別をくけることもなく、再婚は比較的自由に行われていました。

朝鮮の前の時代には朝鮮時代ほど差別的ではありませんでしたが、高麗時代、中原から儒教『礼』の概念が流入してきた頃から徐々に規範が変わってきます。

その後、1392年に朝鮮が建国され、風俗を統制・刷新する際に儒教を軸としたために、寡婦の扱いも自ずと差別的なものに変わってきました。

 

寡婦再嫁禁止法

ついには成宗(ソンジョン:성종)8年、1477年に寡婦再婚禁止法(クァブジェガ クムジボプ:과부재가 금지법)が施行されます。成宗は、朝鮮の女性の規範を作り、女性差別を助長させた仁粋大妃(仁粹大妃:インステビ:인수대비)の息子です。そのため、彼女の影響を受け法制化に至ったのではないかと推測できます。

これにより、夫に先立たれた寡婦は罪人であるかのような人生を歩むことになります。特に、息子も産まないうちに夫が死んでしまった場合には、まるでその寡婦が夫を殺したとでも言われるほどの、精神的迫害を受けました。

また、仮に法に反して再婚して子をなしたとしても、3代に渡り科挙を受けることさえもできないくびきを負わされました。それほど儒教的規範は寡婦に対して苛烈なものだったのです。

 

庶民はどうだったのか?

一方で、庶民の間では様子が異なります。当時の慣習として寡婦を手篭めにしてそのまま嫁にするという再婚形式も見られます。

略奪による婚姻を受けるはめになる寡婦の価値は、まるでモノのようです。法的にはもちろん禁止されていることですが、慣習としては何ら制約を受けていませんでした。

 

朝鮮時代は明らかに男系社会であり、それも日本に比べると女性に差別的な風習が数多くあります。その影響が少なからず現代にも残っており、身近なところでは嫁姑問題の苛烈さも日本の非ではありません。

それでも、自分に非がない夫の死により、残された人生を過酷な環境で過ごさなければならなかった朝鮮時代の両班家の子女に比べると、随分と改善されてきたのだなと思ってしまいます。

 

【参考】 顕宗(ヒョンジョン:현종)  韓国歴史ヒストリア

 

第16話に続く

挿入曲 馬医OST  たった一つ(オジク タン ハナ:오직 단 하나) ソヒャン(소향)

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