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朝鮮時代の人は死して尚、体を刻まれることを恐れた 馬医18話

   

イ・ビョンフン監督が演出するチョ・スンウ(조승우)、イ・ヨウォン(이요원)主演韓国時代劇・歴史ドラマ馬医(マイ/ばい:마의)第18話の解説&感想(あらすじ・ネタバレ含む)です。

馬医 キャスト・登場人物

医官取才(イグァン チュジェ)のために患者に会いに行った白光炫(ペク・クァンヒョン:백광현)。

そこにいたのが顕宗(ヒョンジョン:현종)で、テジュ共々あまりにも緊張してしまいます。そして、最終的に、当時の医書には載っていないものの、家畜には存在する胆石だという診断を下し、再び渦中の人となりました。

馬医(マウィ:마의)ポスター

その時に言っていたのが、人の体は解剖できないということでしたね。当時は本当にそうだったのでしょうか?

朝鮮はご存知のように儒教国家で、身体に関する概念も儒教の束縛を受けています。

 

身体髪膚(しんたいはっぷ)

身體髮膚 受之父母(신체 발부 수지 부모:シンチェパルブ スジプモ).

不敢毁傷 孝之始 也(불감훼상 효지시야::プルガムフェサン ヒョジシヤ).

「身体髪膚これを父母に受く 敢えて毀傷せざるは孝の始めなり」

日本でもよく言われる格言ですが、朝鮮では日本以上に厳格でした。

朝鮮時代の人々は男性でも髪をまとめて結わえていますよね?サントゥ(상투)というのですが、これは上記の概念によって髪を切らなかったことから発展した髪型です。もちろん実際には整える程度には切っていたのですが、バッサリと切るということはありませんでした。

また、ヒゲを生やすという習慣も、上記の概念に由来します。近代韓国では老若男女を問わずあちこちと切ったり貼ったりしていますが、すごいギャップですよね?

注意:これから先はお食事中の方は見ないほうがよいかも(汗)

 

朝鮮時代の人は死して尚、体を刻まれることを恐れた

このような概念が生活に根ざしている上に精神も支配していたため、クァンヒョンが人の解剖が行われないと言ったように、人体の解剖なんてもってのほかという時代でした。

そのため、五体を切り刻まれる陵遲處斬(ヌンジチョチャム:능지처참)という過度に体を傷つける刑罰が最高刑として存在していました。

もちろん死へ向かう時の苦しみもこの上ありませんでしたが、親からもらった五体は、死しても尚、ひとつの塊でなければならなかったため、精神的な刑でもあったのです。

その概念のため、剖棺斬屍(プグァンチャムシ:부관참시)という風変わりな刑もありました。

これは死後に謀反の類が発覚した際に行われる刑で、死体を掘り起こして首をはね、五体バラバラにして首を晒したあと、別々の場所に埋めるというものです。

実際に行われた人物として有名なのが、世祖(セジョ세조)の盟友だった韓明澮(ハン・ミョンフェ:한명회:1415-1487)です。

彼は、母・廃妃尹氏(ペビユンシ:폐비윤씨)の非業の死の憂さを払う狂気の王・燕山君(ヨンサングン:연산군)により、この刑の憂き目に会いました。

 

今後もこの『身体髪膚』の概念を頭の片隅に残しつつ、当時の人のような気持ちになってドラマを視聴してみてください。

白光炫(ペク・グァンヒョン)がいかに時代に抗い、自分の道を切り開くのかを、より一層感じ取ることができるかと思います。

 

【参考】 顕宗(ヒョンジョン:현종)  韓国歴史ヒストリア

 

第19話に続く

挿入曲 馬医OST  たった一つ(オジク タン ハナ:오직 단 하나) ソヒャン(소향)

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