夜の密会も午後10時まで!朝鮮時代の治安維持制度とは? 馬医27話
イ・ビョンフン監督が演出するチョ・スンウ(조승우)、イ・ヨウォン(이요원)主演韓国時代劇・歴史ドラマ馬医(マイ/ばい:마의)第27話の解説&感想(あらすじ・ネタバレ含む)です。
第27話もジェットコースターに乗ったような展開でした。
その中でも、もっとも感動的だったシーンが、ヨンダルとしてのチニョンとクァンヒョンの再会だったのではないでしょうか?
そのシーンは夜更けでしたね。
結構夜更けに出歩いているイメージのある二人ですが、実際はどうだったのでしょうか?
午後10時から午前4時までは通行禁止
朝鮮には治安維持のための時間による通行禁止制度がありました。それが、人定(インジョン:인정)と罷漏(パル:파루)です。高麗(コリョ:고려)時代にも類似の制度があったとの学説もありますが、今のところは定説になっていません。
定めたのは太祖(テジョ:태조)李成桂(イ・ソンゲ:이성계)で、朝鮮建国の3年後の1395年に制度が開始されました。
人定(インジョン)は午後10時頃で、漢城府(ハンソンブ:한성부)の8つある門をすべて閉ざし、通行禁止とします。その際には鐘楼を28回鳴らしました。回数は仏教由来で、宇宙の日月星辰二十八宿に告げるためです。
罷漏(パル)は午前4時頃で、この時には33回鐘楼を鳴らし、通行再開を知らしめました。この時の回数も仏教由来で、帝釈天が導く空の三十三天に告げ、その日の国家安泰・民心安楽を祈るためでした。
この禁を破ると棍棒(ムチとも)の叩き刑を受けるはめになり、外出の時間によって10~30回ほど打たれました。このことからもわかるように、かなり重たい罰則です。
ちなみにこの鐘楼が設置された通りが、今日でもソウルの有名で大通りである鐘路(チョンノ:종로)です。(南大文路との交差点に設置)
現代の感覚だと午後10時はそう遅くない時間ですが、太陽とともに生活をしていた当時としては、相当遅い時間帯だったのでしょう。
というわけで、夜中に人がほっつき歩いていれば、遅くても夜9時台なのです。ただし、刺客などは除きます(笑)
【参考】 顕宗(ヒョンジョン:현종) 韓国歴史ヒストリア
馬医第28話に続く
挿入曲 馬医OST たった一つ(オジク タン ハナ:오직 단 하나) ソヒャン(소향)
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