冬至のお祭りトゥンブルチュクジェは本当にあったのか? 馬医21話
イ・ビョンフン監督が演出するチョ・スンウ(조승우)、イ・ヨウォン(이요원)主演韓国時代劇・歴史ドラマ馬医(マイ/ばい:마의)第21話の解説&感想(あらすじ・ネタバレ含む)です。
韓国で馬医(マイ:마의)の第21話が放送されたのが、約1年前の12月10日。
その翌日に当サイトにあらすじを掲載しています。
1年経つと自分が何を書いたかなって忘れてるもので、もっと適当に書いていると思って見返すと、それなりに文字数があったので驚いてしまいました(笑)
さて、今回は、冬至のお祭りとして出てきた燈火祝祭(トゥンブルチュクジェ:등불축제)にスポットを当ててみましょう。
漢字で書いていますが『火』を表す『プル』は韓国の固有語で、漢字としては当て字になります。『炎』や『燃』でも良いかもしれません。
韓国の時代劇ではちょいちょいファンタジックな描写が挟まれて、さも伝統的な大きなお祭りが開催されていたかのような錯覚に陥らされることがありますが、燈火祝祭(トゥンブルチュクジ)もまさにそのたぐいです。
これに類似したものには燃燈會(ヨンドゥンフェ:연등회)もあるのですが、それについては韓国歴史ヒストリアの方にまとめています。
さて、燈火祝祭(トゥンブルチュクジ)ですが、現代では単に燈祝祭(トゥンチュクジ)と呼ばれています。起源はソウルではなくて、釜山の西80kmほどのところにある晋州です。
そのため、地域の活性化のために皆で作り上げた祭りをソウルがパクったとして、結構な揉め事になっていました。どうやら今年からは、ソウルは形態を変えて行うようです。
晋州南江流燈祝祭
その晋州の燈祝祭は、1592~93年の秀吉の朝鮮出兵・壬辰倭乱(イムジンウェラン:임진왜란)の際に、晋州城にいる兵士が家族へ安否を知らせるために行った行為が土着の祭りとなったものです。それを、2000年から大々的に市の行事として行い始めました。
このあたり、正直なところかなり根拠が曖昧です。日本のお祭りの場合には途切れることなく連綿と受け継がれているものがほとんどで、文献も豊富で根拠もしっかりしていますが、韓国のお祭りはだいたいこのように数百年単位でさかのぼり『あの頃にはやっていた』ということが多いですね(汗)
というわけで、今回のドラマでの描写も、もちろんフィクションです。特に、顕宗(ヒョンジョン:현종)の時代には先述した壬辰倭乱からの復興段階にあり、朝鮮がかなり疲弊していた時期です。あのような大規模で和やかなお祭りを開く精神的余力も国力もがありませんでした。
【参考】 顕宗(ヒョンジョン:현종) 韓国歴史ヒストリア
馬医第22話に続く
挿入曲 馬医OST たった一つ(オジク タン ハナ:오직 단 하나) ソヒャン(소향)
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